アサシン/アサッシン/スタッバー/暗殺者
Assassin(英)/Stabber(英)

 金銭、怨恨、政治的理由などで対象となる人物を殺める人のこと。
近年ではスナイパーのような密殺行為のイメージが強いですが、本来は集団での要人襲撃、いわゆるテロ行為もこれに含まれます。

 暗殺行為そのものは、紀元前以前もの古くから世界各地で行われてきました。
しかしアサシンという言葉が使われだしたのは、1,300年頃からとなります。
8〜14世紀に活動していたアルダワ・アルジャジーラ(al-da'wa al-jadida。「(アラビア半島の)新しい教義」の意)というイスラム教の一派があり、この教団が要人暗殺を活動としていたと信じられていたこと(実際は数えるほどしかないようです)から俗にハシーシン(Hashshashin/Hashishin/Hashashiyyin/Assassin)と呼ばれ、これにより暗殺者=アサシンと呼ばれるようになります。

 ハシーシンとは「大麻(ハシーシュ(Hashish))を吸う人」の意で、これはアルダワ・アルジャジーラとは全く無縁のアラビア民話、『秘密の園伝説』によるものです。
これは秘密の園の老人が、麻薬で眠らせた若者を自らの園で歓待し、また眠らせて里に返した上で「園に戻りたければある人物を殺害しろ」と持ちかける話です。
これがマルコ・ポーロによってヨーロッパに伝えられ、先述のアルダワ・アルジャジーラと結び付けられました。

 なおこの一説のためにアサシンが麻薬を用いると思われることがありますが、説明からも分かるように、麻薬といっても眠らせるために用いるもので、別に暗殺者が麻薬で能力増強を図ったりする(ドーピング)わけではありません。
暗殺技術の1つとして毒物を用いるということはありますが、少なくともアルダワ・アルジャジーラに関しては、毒物も麻薬も用いたという記録は特にありません。


 一方スタッバーは、「刺す(スタッブ(Stab))人」という意味になります。