ブリガンド(英)/ブリガン(仏)
Brigand(英仏)

 オランダ独立戦争(1,568〜1,648。八十年戦争)における、民衆による山岳ゲリラ。
一般に「山賊」として知られていますが、実際には「義勇軍」とでも呼ぶ方が適当です。
なお、古くは「歩兵」の意味でも用いられていた言葉です。

 当時のネーデルラント(現在のオランダ、ベルギー、ルクセンブルク)はスペインの支配下にあり、特に北部地域(オランダ、北部ベルギー)はプロテスタント信仰という理由により、厳格カトリック信奉者であったスペイン王フェリペ2世(Felipe II)による大量虐殺が行われました。
これに対しオラニエ公ヴィレム1世(Willem I)を初めとする諸侯が反発しますが、鎮圧に送り込まれたアルバ公(Fernando Alvarez de Toledo)の1万の軍勢の前に敗退。諸侯は処刑され、ヴィレム公は追放されてしまいます。
このことにより民衆が蜂起し、数年に及ぶ戦闘の末アルバ公は北部地域での支配権を喪失。やがて1,576年にはヴィレム公も復権し、以後72年間に渡ってスペインとの衝突が続いていくことになります。

 この、アルバ公に対して蜂起した民衆というのがブリガンドです。
日本で例えるなら、天草四郎時貞(益田四郎時貞)率いる島原の乱の農民たちのようなものでしょうか。