マンドレイク/アルラウネ/恋なすび
Mandrake(英)/Alraunen(独)/Loveapple(英)
ヨーロッパの地中海沿岸に分布する多年草。
ナス科(Solanaceae)マンダラゲ属(Mandragora)に分類され、この属名から俗にマンドラゴラとも。
ドイツ語ではマンドレイクをAlraunen、その根をAlrauneと表記します。
果実はオレンジ色の液果で、ナスというよりはプチトマト(※)に近い感じです。
※
トマトもナス科の植物。
根に数種のアルカロイド(植物毒)を含み、古くは薬用として解熱、催淫、沈痛、麻酔などに用いられていましたが、毒性が強いために現在ではあまり使用されません。
中毒による副作用の例としては、興奮、錯乱、幻覚、昏睡、呼吸障害など。また摂取量が多くなれば、死に至ることもあります。
マンドレイクの根は二又に分かれていることがしばしばあり、それが人型に見えないこともありません。
このことよりマンドレイクは、伝承上においてある種のモンスターのような存在として語られます。
伝承上におけるマンドレイクは、引き抜かれる際の苦痛に絶叫を上げ、その悲鳴は良くて採集者の耳を潰すか、最悪の場合は死に至るとされます。
そのため収穫に際しては、マンドレイクを犬に結びつけ、遠くからその犬を呼び寄せるという方法を採ります。
収穫した後の発声は無害なので、そのまま普通に扱うことができます。
魔法薬としてのマンドレイクは、催淫や幻覚症状を主目的として用いられます。
その用途から、マンドレイクのことを恋なすびと呼ぶこともあります。
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