オリハルコン
Orichalcum(英)

 アトランティス(※1)で、主に建物などの装飾用に用いられていたとされる架空の金属で、稀に宝石という説も。
Oros(山)+Chalkon(銅)の意で、「自然にできた青銅(合金=人工物)→有り得ないもの」という意味を暗に含んでいるとされます。
また後にローマにてAuri(金)+Chalcum(銅)とも解釈され、金と銅の合金(赤銅)であるとも言われます。

 比重2.7のアルミニウムよりも軽く、硬度は諸条件により変化し、炎の色をしているとされます。
正体については諸説あり、先の赤銅のほか、原文の通りの青銅(銅+錫)、黄銅(=真鍮。銅+鉛)、黄銅鉱(銅、鉄、硫黄の鉱石)など。
 また変り種では、琥珀という説もあります。
金属ではありませんが、色、比重(1.08)、硬度(天然のままでは軟らかく、人工樹脂を加えることで硬化)のいずれの条件も満足するのはこれらの中では琥珀だけで、また、装飾用という用途とも違和感がありません。

 このオリハルコンと似た、あるいは同一の物質として、『竹内文書』(※2)に緋緋色金(ヒヒイロカネ)というものが登場します。
緋緋色金は比重が金よりも少し軽い程度で、純粋なものほど軟らかいとされます。
緋緋色金と同じでも、色が青いものは青生生魂(アボイタカラ)と呼ばれます。

※1プラトン(Plato:希、前427-前347)の著書にのみ登場する大陸。
他の歴史的文献には一切登場しないほか、噴火などの歴史的事実との不一致などから一般に架空の大陸とされています。
※2茨城県磯原の竹内家に伝わる古文書。
世界中の伝説をかけあわせて作られた空想科学読本で、日本最大の偽書。
日本人は古代大陸からの移民で、日本は世界中を統べていて、キリストなどの歴史的人物らが日本に渡っていたなどの内容。
緋緋色金についても恐らくは単なる偶然ではなく、オリハルコンの記述を引用したものと思われます。