ベヘモス/ベヒーモス/ベヘモット/バハムート
Behemoth(英)/Behemot(英)/B'hemot(英)/Bahamut(アラビア)/Bahimuth(アラビア)

 ヘブライ語で獣を表すB,Hemahの強調複数形が語源で、「牛の中の牛」の意。
「神が創った、牛のように草を食う獣」として『ヨブ記』(紀元前200年頃)に記されたのが初出で、カバについて記されたもの

 その後の文献で、以下のように特徴づけらていきます。

     リヴァイアサンと時を同じくして作られた食肉用の水棲獣。
しかし海にこの2大海獣を置いておくには窮屈であるため、ベヘモスを陸に揚げた。
- 『バルク黙示録』、『エズラ書』(1世紀頃)

     これらは対を成す獣で、リヴァイアサンが雌、ベヘモスが雄である。
- 『エノク書』(8世紀頃)

 ベヘモスの姿はカバ、水牛、ゾウなど様々に描かれますが、水牛は『ヨブ記』での例えに用いられたためで、ゾウは『地獄の辞典』でそのような挿絵が使われたことによります。
体高6m、全長15mとされていますが、そのサイズがゾウのイメージに合っていたためでしょうか。


 一方アラビア語ではバハムート(Bahamut/Bahimuth)といい、こちらはカバではなく巨大魚として描かれます。
これは陸に揚げられなかったとしているのか、あるいはリヴァイアサンと混同視されているためではないかと思われます。