バスタードソード/エペ・バタード
Bastard Sword(英)/Epee Batarde(仏)
115cm〜140cm、2,500g〜3,000g

 15世紀前半から17世紀まで使われた、刃幅およそ3cm程度のヨーロッパの両刃剣。
「Bastard」とは「庶子私生児(愛人の子)」「偽物」「異形」「劣等」を表す言葉で、それまでの騎士の伝統に沿わない、長剣にも大剣にも分類されないイレギュラーな剣の蔑称としてこう呼ばれました。
ちなみによく言われる「雑種」「混血」という意味はありません。それらは「Hybrid」「Crossbred」「Mixed Breed」という言葉になります。

 片手でも両手でも使える「Hand-and-a-half Sword(片手半剣)」という分類で、万能な用途に使える反面、慣れないとどちらの長所も生かせないという難点があります。
例えば片手で扱うにはいささか長く重過ぎるため、手首を使った素早い返しができません。
一方両手で叩き斬ろうとした場合、大剣に比べてやはりその威力は見劣りします。

 日本では「破壊者」を意味する「Buster」としばしば間違えられますが、これは「バスター」であって「バスタード」ではありません。
また、鳥の「ノガン」を意味する「Bustard」という語もありますので、それぞれスペルミスにはご注意を。