クロスボウ/ボウガン/アーバレスト/
Cross Bow(英)/Bow Gun(英)/Arbalest(英)/ど(日)/いしゆみ(日)/Nu(中)

リピーティングクロスボウ/連弩諸葛弩
Repeating Cross Bow(英)/れんど(日)/Chu-Ko-Nu(中)
60cm〜100cm、1,000g〜5,000g(アーバレスト除く)

 最古のクロスボウは、紀元前200年頃の中国で発明されたとされています。
ヨーロッパでは、800年〜1,500年の間に用いられました。
ウィリアム・テルが用いた弓も、このクロスボウです。

 ロングボウ和弓から見れば初心者に優しい弓ですが、クロスボウはまさに「素人でも扱える弓」といえます。
弦をハンドルで巻き上げるため、人の手では絶対に得られない張力を与えることができ、威力面でもロングボウを遥かに凌駕していました。
形状や性質から見て、むしろ弓というより銃器に近い武器といえます。
なお、サイズの大きなクロスボウをアーバレストといい、中には複数人で扱う特大サイズのものなども存在します。

 クロスボウ用の矢は、ボルトと呼ばれる短めのものを用います。
当然短い分軽くなるのですが、発射後の安定性を保つため、上薬を塗って重量を補っています。

 クロスボウの欠点は、その弾込めの遅さにあります。
ロングボウは慣れれば1分間に10発は撃てるのですが、クロスボウは2発が限度とされています。
そのため、物量で攻めるのであればロングボウの方が有用だったようです。


 リピーティングクロスボウの起源もやはり中国(20年〜220年頃)で、これは諸葛弩と呼ばれます。
弦は巻き上げ機ではなくハンドルで起こすだけのため、装填速度は増すものの、威力と精度は格段に劣ります。
ボルト用の弾装が備えられているのが特徴で、ハンドルを引いた時に自動的に装填されます。
など、まさに連射に特化したクロスボウといえます。

 リピーティングクロスボウは、毒を塗ることでその威力を発揮しました。
つまり鎧を貫くのが目的ではなく(というよりできません)、とにかくかすり傷を与えて致命傷にもちこもうというものです。


 なお、を日本語で「いしゆみ」と呼ぶことがあるために、「石弓」と混同されてしまいがちです。
石弓とは篭城戦の際に、塀の上から縄を切って石を落とす装置を指します。