グレートヘルム/ローフヘルム/シュガーローフ
Great Helm(et)(英)/Topfhelm(独)/Sugarloaf(英)
3kg〜5kg

 グレートヘルムは12世紀から13世紀中にかけて用いられた大兜で、クルセイダー(十字軍)らが用いた兜としても知られます。
樽の下部を切り落としたような、あるいはバケツをひっくり返したような円柱状の形状を指して、バレル(Barrel、樽)、ポット(Pot、鉢)などとも呼ばれます。
眉間を中心とした兜の前面に十字架があしらわれているのがほぼ共通の特徴で、その他にも家紋などの彫金が施されていたりもします。

 構造は極めて単純で、何枚かの板金を繋ぎ合せて作られます。
前部は十字を区切りとした4枚(田)か、または上下1枚ずつの2枚(日)。
後部は上下2枚(日)か、前部と同様に4枚(田)を用い、更に頭頂部の1枚と、十字架をそれぞれ鋲で留めれば完成です。

 やがてこのグレートヘルムはその頭頂部が丸くなり、円柱状だったその形状は弾丸や座薬のような円錐状へと推移します。
このコニカル(Conical、円錐)グレートヘルムはシュガーローフ(Loaf=円錐)と呼ばれ、13世紀から14世紀にかけて用いられます。

 グレートヘルムはその構造上隙間が大きく、大きさと重量の割にはあまり期待した防御効果は得られないものでした。
グレートヘルムはこの下に更にサーブレアというスカルキャップを着けて使用されるようになり、やがてグレートヘルムは、このサーブレアの進化形であるバシネットに取って代わられていきます。