神道
Shinto(英)

 かつて日本各地に存在した民間信仰を習合したのが起源。
時の為政者らによって様々な解釈が為されており、こと高天原を舞台とする日本神話に登場する神々の末裔とされているのが、ご存知天皇家となります。
一時期陰陽師(陰陽五行に基づく中国の占術)との習合も見られましたが、本来は無関係です。
その他では、仏教との習合(神仏習合)が有名なところです。
日本は仏教国、または無宗教国と言われますが、生活習慣の中の行事や習わしのほとんどは、実はこの神道に由来するものです。

 魂は前世や来世などの輪廻転生(六道輪廻)を繰り返すとする仏教に対して、神道では死者の霊はそのまま現世に留まり、未来永劫子孫を見守り続けるとされます。
いわゆる「ご先祖様」や「守護霊」というのは神道の習慣であり、この点が仏教と神道との大きな違いです。
なお、先祖の霊を迎える「お盆」は現在仏教に属する行事ですが、これも元々は神道に属するものでした。


 神道内には「階位」、「身分」、「職称」というランク付けが存在します。
階位は神職に就くための資格、身分は神道界全体で見た階級ランク、職称は各神社内での役職名となります。

階位
浄階(じょうかい) 神職の最上級階位にして名誉資格。
明階取得者が長年神道の研究を続け、その業績を認められることにより授与。
 
明階(めいかい) 有名神社の宮司・権宮司になるのに必要。
神道系大学を卒業し、その後現場研修を経ることにより授与。
 
正階(せいかい) 一般神社の宮司になるのに必要。
有名神社の禰宜になるのに必要。
神道系大学の卒業時に授与。
 
権正階(ごんせいかい) 一般神社の禰宜、権禰宜になれる(神社により宮司も可)。
有名神社の権禰宜になるのに必要。
 
直階(ちょっかい) 一般神社の禰宜、権禰宜になるのに必要。


身分
特級 黒袍、白袴(紋入り)。
主に大宮司。
 
一級 黒袍紫袴(紋入り)。
主に小宮司。および浄階より選任。
 
二級上 赤袍紫袴(紋入り)。
禰宜、宮司、権宮司など。
 
二級 赤袍紫袴
禰宜、宮司、権宮司など。
 
三級 緑袍浅黄袴
権禰宜、権正階以上の者など。
 
四級 緑袍浅黄袴
その他。

 会社における役職制度とほぼ同じシステムで、年功序列と思ってほぼ相違ありません。
なお、ほとんどの神職者は二級上以下に所属しています。


職称
宮司(ぐうじ) 権正階、または正階以上(一般神社 )。
明階以上(有名神社)。
 
権宮司(ごんぐうじ) 存在しない(一般神社)。
明階以上(有名神社)。
 
禰宜(ねぎ) 直階以上(一般神社)。
正階以上(有名神社)。
 
権禰宜(ごんねぎ) 直階以上(一般神社)。
権正階以上(有名神社)。

 これらの役職の人間は、各神社に1名までが原則となっています。


 なお「巫女」は神職者に該当しないので、資格の類は不要です。
未婚であるということが基本的な条件で、神道に関する知識教養については現場教育となります。
扱いは各神社によって異なり、一般に知られるところでは年始のアルバイトから、舞いを専門とする伊勢神宮の「舞女(ぶじょ、まいひめ)」などがあります。