スピア/ジャベリン
Spear(英)/Javelin(英)
100cm〜200cm、1,000g〜3,000g

 1m程度の短めの槍をショートスピア、2m程度の長めの槍をロングスピアと大分します。
先端に鋭利な固形物のついた棒、というのが一般的なスタイルですが、原始的なものでは、木や竹の棒の先端を尖らせただけのものなども存在します。

 刺突斬撃よりも効果的であり、時代や地域を問わず広く使われてきました。
そのため呼称も様々で、例えば古代ローマ帝国ではピルム(パイラム:Pilum)と呼ばれていました。
ちなみに、「Spear」というのは「突く」という意味の言葉。

 スピアの用途は様々で、接近戦や投擲、その投擲でも「アトラトル(Atlatl)」という専用の投槍機を用いて、まるで現代のミサイルのように用いたりもしました。
ですが投擲の用途としては、後に登場するロングボウに取って代わられていきます。
威力こそロングボウの方が劣る(※)のですが、精度や扱い易さでは格段に優るというのがその理由です。
それでも板金鎧さえも貫けるので、こちらも何ら問題にはなりません。


 なお日本語訳では「投げ槍」として一般に知られているジャベリンですが、実はこれはショートスピアと全く同じものです。
語源は16世紀のフランス語の「ジャベリナ(Javelina)」で、意味はイノシシとなります。
現在の陸上競技では、このジャベリンが投げ槍競技の名前として用いられています。