ラグナロク/ラグナレック
Ragnarok(古ノルド)/Ragnare(/o)kkr(古アイスランド)

 北欧神話に登場する、世界の終末。
Ragna(助言を与える者たち=神々)+Rok(運命)の意。
なお、13世紀著の新エッダ(スノリのエッダ)では、RokではなくRe(/o)kkr(暗闇)と記述されています。
 後にドイツ人の歌劇家ワーグナーがRok(kr)をRokr(黄昏)と誤訳し、以来「神々の黄昏(Gotterdammerung(独)、Twilight of the Gods(英))」という訳が定着します。

 ラグナロクはバルドル(Bald(e)r)の死をきっかけに、拘束を解かれたロキ(Loki)が巨人族やその他の化物を率いて、主神オーディン(Odin)率いる神族と最終戦争をするというものです。
これにより双方全滅(正確には一部は生き残っているとされます)して神の時代は終わりを告げ、唯一生き残ったリーヴ(Lif。「生命」の意味の男性)とリーヴスラシル(Lifdrasir。「生命力を自ら維持する者」の女性)という2人の人間が新しい世界の祖先となるという結末です。

 北欧の人たちは375年のゲルマン民族大移動後のパラディンらに見られるように、多民族との接触、およびその土地の宗教思想を取り入れるということを行いました。
エッダは後世(12世紀)になって記されたものですが、これはかつての自分らの思想に終止符を打つと共に、その上で後世に残したいという意図があったものと見られます。