ハイドラ(英)/ヒドラ(日)/ヒュドラ(ギリシア)
Hydra(英)

ギリシア神話
 9の首を持つ巨大な水蛇。首の数については異説あり。
「Hydra」はギリシア語で単に「水蛇」を表す語としても用いられますが、一般的にはこの「レルネのヒュドラ(Lernaean Hydra)」の方を指します。
沼地に棲み、その息と血は猛毒を持っています。

 ヒュドラはテュポンとエキドナの子で、英雄ヘラクレスを殺すためにヘラが育てたもの。
1つの不死の首と8つの再生する首とがあり、初戦ではヘラクレスはこれに敵わず退却します。
その後のイオラオスの案で再生する首を切り落としたその切り口を松明で焼き、残りの不死の首を大岩の下敷きにすることで退治に成功しました。


クトゥルー神話(※):
1.「ディープワン(深き者ども)」と呼ばれる寿命のない(加齢では死なない)半魚人種族で、「父なるダゴン」と対で呼ばれる、種の最長老。「母なるハイドラ」。
 
2.「グレーターオールドワン」と呼ばれるもので、他の生物から切り取った大量の首が浮かんだ、灰色の粘着質の海のような外見をしています。
1.のハイドラとは関係ありません。

H.P.ラヴクラフトの著書に登場する架空の神話。


生物学
 刺胞動物門 花クラゲ目 ヒドロ虫綱 ヒドラ科 ヒドラ属に属する生物の総称。
クラゲやイソギンチャクの仲間で、池などの淡水水草の上に棲み、体長は1mm〜数mm程度。
ナメクジのような筒状の体の先端に5〜7本の毒のある触手を持ち、例え切られてもそれぞれが完全なヒドラとして再生するなど、名前の元となったギリシア神話のヒュドラに特徴が非常に似ています。


その他
 日本の八岐大蛇(ヤマタノオロチ)も8つの首を持つ大蛇であることから、ヒュドラの一種として見なされることがあります。