ウィル・オー・ザ・ウィスプ/イグニス・ファティウス/聖エルモの火/鬼火/火の玉/人魂/狐火/不知火
Will o' The Wisp(英)/Ignis Fatuus(英)/Ignes Fatui(英)/Jack o' Lantern(英)/Corpse Fire(英)/Corpse Candle(英)/St. Elmo's Fire(英)

 世界各地の沼地や墓場などで目撃報告のある火の玉。
蒼白、またはライトグリーンをしており、真球、あるいは蝋燭の炎のような形状をしています。

 「Will o' The Wisp」の「Will」は「ウィリアム」の愛称、「o'」は「of」、「Wisp」は松明に用いるの束を意味します。
これは、死者の裁定者騙し浮遊霊とされたウィルが、暖を取るための石炭(人の目から見た火の玉)を悪魔(Devil)から渡されたという逸話に起因します。
似たような逸話は他にもあり、「Jack o' Lantern」もその1つ。
一方「Ignis Fatuus」は、「愚か者の火」の意。

 科学的には、沼地や生ゴミなどから発生するメタンガスが自然発火したものや、静電気による発光現象であるとされています。
聖エルモの火」は後者で、強い電界下、具体的には雷の鳴っている中で、マストのような尖ったものから溜まった静電気が放電される現象を指します。


 ゲームでは「ウィル・オー・ウィスプ」の名で登場する例が多く、これは特に日本で顕著です。
字数の問題からなのか、「The」が削られて「Will o' Wisp」と表記されたのがこれに起因します。
日本で多いのは、それまで「ウィル・オー・ザ・ウィスプ」という言葉に馴染みがなかったためでしょう。
 ちなみに「Wisp」だと先述の通り「干草」という意味になってしまうので、英語圏では、日本ほどこの語単体で火の玉を指すことはありません。

 墓場での目撃例が多く、死者の霊だとする逸話も多いので、それに従えばアンデッドという分類になりますが、一方で妖精だとする逸話もあり、特にゲームでは光の精霊という扱い方が顕著です。