ブリガンダイン/コートオブプレート/ジャックオブプレート
Brigandine(英)/Coat of Plates(英)/Pair of Plates(英)/Jack of Plate(英)
3〜8Kg
いくつもの金属片を
鋲
で打ち付けてある袖なしのチョッキ。
スタデッドレザーアーマー
や
スケイルメイル
に近いですが、ブリガンダインの金属片は生地の内側に取り付けられており、単体で使用することはなく、
クロースアーマー
や
チェインメイル
の上に補助として着込みます。
現代の防弾チョッキがこれに近いものとなります。
素体となるチョッキの素材は画布(油絵用のキャンバス布。船の帆にも使用)または革で、この裏面に長方形の金属片を打ち付けていきます。
武器の発展に伴い鎧の強度を高めることが求められる中で、
プレートメイル
などの板金鎧が一般化するまでの一時凌ぎとして、このブリガンダインが用いられました。
とはいえ安価でそれなりの効果が期待できたため、歩兵の間ではその後も使われ続けていくことになります。
また、表面はあくまで布/革製であるため容易に意匠を凝らすことができ、その点でも人気は高かったようです。
12世紀後半には既にあったものの、重量と当時の武器の威力からあまり重要視されず、実際に用いられたのは15世紀後半〜16世紀となります。
よく「山賊(
ブリガンド
)に用いられた鎧」として誤解されていますが、「
ブリガンド
」は古くは歩兵を意味する言葉としても用いられており、正しくは「歩兵の鎧」といった程度の意味合いとなります。
また、創作物でしばしば「ブリガンダインヘルム」「ブリガンダインシールド」などどいったものを見かけますが、作製できないことはないとはいえ、それが無意味なものであることは言うまでもありません。
もっとも、「山賊の〜」という意味合いで付けられた名であれば話は別ですが。
ブリガンダインの類似品に、コートオブプレート(またはペアオブプレート)とジャックオブプレートがあります。
コートオブプレートはブリガンダインとの境界が
曖昧
ですが、こちらの方が金属片が大きいとして区別されます。いわばブリガンダインの
廉価品
といったところでしょうか。
一方ジャックオブプレートは金属片が
鋲
打ちではなく
縫製
によって取り付けられているのが大きな違いで、素材も画布の他に柔らかいフェルトが用いられることがあり、それを何層にも重ねて強度を高めています。
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