ドラグーン/ドラグナー/竜騎兵/竜騎士
Dragoon(英)/Dragoner(独)

 携行できるくらいまでに火器が発達して以降(17世紀後半以後)に登場した乗馬歩兵。
乗馬歩兵(あるいは騎馬歩兵)とは、移動時には馬を用い戦闘時には下馬するというもので、機動力を生かし、少数で拠点の制圧を行うなどに使用されました。

 ドラグーンという名は、彼らが携行したカービン銃やショートマスケット銃が「ドラゴン」と呼ばれていたことに由来します。
これは、それらの銃が火を噴くことからそう呼ばれるようになったと言われています。

 18世紀後半以降、サーベル携行したライトドラグーンというものが登場し、これにより、ドラグーンと軽騎兵との区別が曖昧になります。
また現在では、戦車に伴乗する携銃戦闘員、いわゆる機械化歩兵(自動車化歩兵、機動歩兵とも)もドラグーンと呼ばれます。


 一方創作作品においてのドラグーンは、ドラゴン飛竜を操り、その背に乗って戦う騎士として扱われます。
これはドラゴンライダーとも呼ばれます。
初出は不明ですが、恐らくは語感と、騎士であるという点から流用されたものと思われます。

 またこれとは別に、主に槍を持ち、ドラゴンを殺すことを生業とした騎士もドラグーンと呼ばれることがあります。
こちらは『ファイナルファンタジー』シリーズによるものと思われ、近いものとしてはドラゴンスレイヤー(※)があります。
ドラゴンを殺す力を持った人、または武器(大抵は剣)のこと。
似た言葉に「ドラゴンキラー」や「ドラゴンバスター」などがありますが、前者は『ドラゴンクエスト』シリーズに登場する竜殺し用のジャマダハルを、後者は同名のゲームソフトについてのみ通常使われます。