Sorcery
魔道/邪術/呪術

 悪魔の助けを借りて使う術とされ、現在最も一般的にイメージされている「魔法」の形態。
本来はラテン語で「古代宗教の秘儀」の意味で、これは古代エジプト宗教を指しているものだと思われます。
エジプトの術者がロープを蛇に変えたり、それに対してモーセが杖を大蛇に変えたりする姿が旧約聖書に描かれています。
モーセが海水を断ち割る話も有名ですが、これもSorceryの類と考えて良いでしょう。

 エヴァンズ=プリチャードによる定義によれば、儀礼・呪文・呪薬などを用いた意図的な術で、社会的には善悪どちらも有り得るとされています。
なお現代の日本では、単純な呪文で極めて強力な威力を誇る魔法として描かれることが多いようで、こちらも術者の立場は善悪どちらとは限られていません。

 Sorceryを使う代表となるソーサラーが活躍したのは中世のイスラム世界ですが、ここでは魔術の他にも、天文学錬金術などの学問も貪欲に研究されていました。
そのため魔術のスタイルにも純正魔術、白魔術、呪文文字魔術儀式魔術、符術など様々あり、まさにあらゆる魔法の集大成といったものでした。

 キリスト教の影響で「悪魔の術」と狭義されましたが、本来はこのように、善悪は使用者により、スタイルも様々なものなのです。