アーサー王伝説/アーサー王物語/ブリテン王列伝
Arthurian Legend(英)/Matter of Britain(英)/Matiere de Bretagne(仏)

 5〜6世紀頃に実在したと思われる王をモデルとした創作物語。著書により内容は著しく異なります。
イングランド王ウーゼルの不義の子として生まれ、エクター卿の子として育てられたアーサーは、「王のみが引き抜くことができる剣」を引き抜いたことにより、父ウーゼルの跡を継いでイングランドの玉座即位することになります。
アーサーは反対勢力による内乱を撥ね退け、アングロ・サクソン人の進行を阻止し、やがて国を平和へと導きます。

 アーサー王伝説はその後写本や脚色が進むにつれ、円卓の騎士聖杯探索、エクスカリバーなどの要素が加わっていきます。
円卓の騎士は地元の英雄のエピソードを、聖杯伝説はキリスト教思想を盛り込むのに適していました。
円卓の騎士は各地域の英雄がモデルとなっていることから、著書により設定が著しく異なるものの1つでもあります。

系図と他主要登場人物
エクター卿   ウーゼル王┬イグレイン〒ゴルロイス公
  │          │     │
  ├────────┐ │     ├───────┬───────┐
  │        │ │     │       │       │
 ケイ卿 ギネヴィア=アーサー王┬モルゴース┬ロト王 │  モルガン・ル・フェイ〒ウリエンス王
                │     │    │            │
                │     │  エレイン┬ランスロット  イウェイン
                │     │      │
                │     │    ガラハッド
                │     │
                │     ├──────┬─────┬────┐
                │     │      │     │    │
             モルドレッド ガウェイン アグラヴェイン ガヘリス ガレス

マーリン(魔法使い)
ニミュエ(湖の貴婦人)
ペディヴィア(アーサー王の側近)
トリスタン(円卓の騎士)
パーシヴァル(円卓の騎士)
ボールス(円卓の騎士)

 以下に、円卓の騎士ランスロットを中心とした一般的なあらすじ(結末)を紹介します。

 王妃ギネヴィアとの不倫の現場を押さえられたランスロットは、アグラヴェインを殺し、モルドレッドに重傷を負わせてその場を脱出します。
その罪によりギネヴィアは処刑されることとなるものの、その寸前にランスロットがこれを救出。警備にあたっていたガヘリスとガレスは、ランスロットによって殺されてしまいます。
これに激昂した3人の兄のガウェインはランスロットに復讐を誓い、アーサー王と共にランスロットに対して兵を挙げます。

 そんな中、アーサー王不在の国元でモルドレッドが反旗翻します。
モルドレッド討伐にあたったガウェインは、ランスロット戦の負傷もあって討ち死に。
その後アーサー王はモルドレッドを討ち果たしますが、自らも瀕死重傷を負ってしまいます。
アーサー王は側近のペディヴィアにエクスカリバーを湖に返却するよう命ずると、自らは小舟に乗って、傷を癒すためアヴァロンへと旅立って行きました。