スティレット/ポイグナード
Stiletto(伊英)/Poignard(仏)

 イタリア北部発祥の、全長30cm、刃渡り20cm程度の十字架状の短剣。元は商人の護身用に作られた短いレイピア。第一次世界大戦以降のトレンチナイフもこの一種とされます。
本来のものには基本的に刃はなく、刀身の断面は丸、三角、ひし形など、刺突特化した作りになっています。のついたピックのようなもので、エストックの短剣版とも言えるでしょう。
語はラテン語で「先の尖った物」を意味する「Stilus」に由来します。

 スティレットはチェインメイルに対して特に有効な武器で、14世紀〜16世紀にかけて活躍しました。
リーチが短いので、通常戦闘よりも、とどめを刺す時のみに用いることが多かったようです。
熟練した者が使えば板金鎧をも貫通できると言われますが、可能というだけで特にメリットはなく、実際はプレートメイルの隙間から狙う場合がほとんどです。

 簡単に携行できて目立たないことから、スティレットは暗殺者にも愛用されました。