トライデント/三叉
矛
Trident(英)
150cm〜200cm、2,000g〜2,500g
穂先が三叉に分かれた、
銛
の一種。
ラテン語で、TriはThree(三)、Dentは歯(Deltal(英)=「歯の」)の意味を持ちます。
初期のトライデントは鹿の角が穂先に採用されており、原始時代において、狩漁用に用いられていたものが起源と言われています。
一方で、農耕用のフォークが起源という説もありますが、これは恐らくは形状が似ているためによる誤解と思われます。
フォークが最初に使われたのは中世初期(3世紀前後)であると言われ、素材は木でした。
トライデントがフォークの元になったかは不明です。
トライデントはその構造上殺傷能力は低く、あくまで狙いのつけにくい対象を突くためのものと言えます。
そのため国家が正式な武装として採用した歴史上の記録もなく、せいぜいが一揆などで民衆(主に漁民)が用いた程度のものに過ぎません。
戦争以外の用途としては、古代ローマのレティアリウス(Retiarius:
グラディエイター
の一種。「網闘士」と訳され、網とトライデントを用いて闘う)が用いていたという記録が残っています。
神話では、
ギリシア神話
の海神ポセイドンの持つ武器として有名です。
また、ヒンドゥー教のシヴァ神もトリシュラ(Trishula)と呼ばれるトライデントを持っており、こちらは
投げ槍
のように用いると言われます。
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